忘れていた感覚が、息をする。

Objects

遠くへ行かずに、遠くを見た(音が、自分の中にみせた風景)

    音楽を「聴く」というより、
    音がただ、自分の中に広がっていく。
    静けさの奥で、なにかが遠くまで届いていくような。

    そんな展示空間に、立っていた。

    音と音のあいだに浮遊している余韻が、
    次の風景を連れてくるような。
    どこか遠くにある、やわらかな静けさに触れる感じ。

    音楽は、聴いているあいだよりも
    終わったあとのほうが、心に浸透していく。

    空間のなかに、静けさと光が交差していて、
    その静けさも、光も、音の一部のように思えた。

    風通しの良さも感じた。
    どこかから流れてきた風が、どこかへ流れていくような。
    その“抜け”に、なぜか安心したのだった。

    うまく表現できないけれど、
    「遠く」を思った。

    自分の心が、もっと遠くを見たがって、
    一直線に伸びていく。

    でも、感じていたのは遠くの何かではなく、
    すぐそばにある、自分の内側だった。
    向こうじゃなくて、自分の中。

    言葉では半分も表せない。
    いまもただ、ずっと静かに残ってる。

    坂本龍一|音を視る 時を聴く
    (東京都現代美術館)にて

    Mezzonaryの名前の由来となった、坂本龍一の『intermezzo』を写真の背景で流しています。
    よかったら、スマホから飛んでインスタで見てみてください。
    (PCからだと、音が出ない可能性があるようです)

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