忘れていた感覚が、息をする。

Still

手しごとのように、指で育てる言葉

    たぶんこれから、書くスタイルはもっと自由になっていくのだと思う。

    AIはきっと、いまよりずっと便利になって、ものすごい文章も簡単に生み出せるようになる。

    それでも、人が一生懸命に言葉を探して、あこがれの文体に近づきたくて、本を読んだり、何度も書き直したりしている姿には、やっぱり特別なものがある。

    きっと未来のどこかで、そんな「人の手で書いた言葉」を読み返したとき、その瞬間にはもう見えなくなっていた何かを、感じ取ることができる気がする。たとえば、過去の自分が小さなノートに残した文字や、夜中に打ったメールのように。

    自分の手をかけることで生まれる愛着は、DIYや手書きの手帳を続けている気持ちと、どこか似ている。めんどくさい、なんて言いながらも、私たちは「自分の暮らしに手をかけたい」と思っている。

    だから、便利なものはうまく取り入れつつ、AIに任せられるところはどんどん任せて、それでも、「ここだけは自分で触れていたい」と思う部分を大切に残しておく。

    そんなふうに、暮らしや言葉の畑を、手で耕すように育てていけたらいいなと感じる。

    価値ある良いことはみんな、時間も手間もかかるもの

    ターシャ・テューダー

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